~史上最悪の虐待か? 史上最大の逆転劇か?~
203cm 140kgの王者に188cm 103kgの若者が戦いを挑む
WWE統一王者 ジ・アンダーテイカーに対して、ジェフ・ハーディは188cmと、日本人の感覚からすると十分な体格に思えるが、画面を見ると対格差は歴然。
ジェフがもやしっ子に見えるから不思議(笑)
それにジェフは筋肉隆々のタイプでもないから、余計にそこらへんのお兄ちゃん感。
2002年当時25歳の若者の経歴はタッグ王座とICベルトという主要タイトルはなく、一方のアンダーテイカーは当時37歳くらい。WWEデビュー10年の大ベテラン、人気も経歴も申し分なく、文句なしの団体屈指のスーパースターだ。
陳腐な構図だが「ベテランvs.若手」あるいは、旧約聖書の「ダビデとゴリアテ」。
当時ヒールの統一王者として破壊の2文字で団体を支配していたアンダーテイカーに対格差で劣る若者が勝利するには・・・ハシゴ戦しかないッ!
フォール、ギブアップは無効。反則裁定、カウントアウトなし。
勝つ方法は1つ。ハシゴに上り、リング上空につるされた統一王者のベルトを奪うこと。
ジェフにとってアンダーテイカーから3カウントフォールを奪うことは至難。
反則裁定なしはもろ刃の剣だが、あらゆる手段を使って相手から邪魔されずにリングの中央にハシゴを立て、急いでハシゴを上り、ベルトに手をかけられれば万にひとつの可能性が・・・しかし、反則裁定なしは破壊的な王者にとっても望むところだ。
実況のジム・ロスの言葉を借りれば「史上最大の虐待か?史上最大の逆転劇か?」。
とはいえ、この試合までにタッグ王座戦で何度かハシゴ戦を戦い、ベルトを獲得してきたことがあるジェフは「ハシゴ戦の達人」と称されるほど。
一方のアンダーテイカーは、この試合が始めてのハシゴ戦。試合序盤には、ハシゴの扱いに戸惑いを見せる場面もある。
もともとジェフは過激な試合でその名前を上げてきたスーパースターでもあり、ハシゴを凶器として使用したり、空中戦に使うのは得意。一方のアンダーテイカーはいわばグラウンドタイプ。とはいえ、「オールドスクール」のようなロープ上から飛んだり、リングからリング下にいる相手めがけてのダイブなど、体格に見合わない身軽な空襲攻撃は持っている。
そして、凶器といえばアンダーテイカー。特にイスによる容赦ない攻撃は、アメリカン・
バット・アス時代の過去映像としてよく出てくる。
この試合はRAW 10周年特番でベストマッチ賞にノミネートされ、残念ながら受賞を逃したものの、長きにわたるWWEのハシゴ戦の歴史の中で有名な試合の1つた。
試合後の両スーパースターが健闘をたたえ合うやり取りもまた、多くの人がベストマッチに挙げる理由の1つだろう。
この試合のあと、アンダーテイカーはベビーフェイスに転向する。
PPVではなく、RAWの通常放送で行われた試合としては非常に素晴らしい。このカードが組まれた
ハシゴ戦という試合形式のルール上、何試合かの因縁の解決方法として、この危険で過激な試合形式が行われることが多い印象がある。
この試合は字幕付き映像としては、DVD『WWE ラダーマッチ』のDISC2に収録されている。
また、先に引用したジム・ロスの台詞は、DVD『WWE RAW 10th アニバーサリー』のグレイテストマッチ賞のダイジェスト映像に収録されているもの。
もしかしたらニコニコにまだ上がっているかもなので、探してみるのもありかも。
あるいは、字幕なしになるがWWEが公式映像としてフルマッチをyoutubeにあげているので、そちらもご参照を。20分とそれほど長くないので、ぜひ!
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